君が為に日は昇る
時代が、変わろうとしている。


表舞台でもまた、戦いが始まろうとしていた。街の外の小高い丘。睨み合うのは幕狼の面々と連合の面々。


それぞれ先頭に自らの総大将である新海、そして真田を据え、開戦の合図を待ちわびている。


「陸野があんたを殺りにいったはずだが…。どうやら巧く逃れたらしいな。」


腕を組み、首をこきりと鳴らす。なんとも独特の空気を纏う男。新海は真田を見据える。


「どうしても貴方と直接決着をつけたかったもので。逃げたつもりもないですがね。」


雰囲気にどこか底の知れないものを感じる男。真田はにこやかに笑いかけた。


「それに自分だけ高見の見物っていうのは、嫌なんですよ。」


真田が刀に手をかけた瞬間、にわかに殺気立つ幕狼の面々。それを新海が制する。


「私が始めたことですから、共に戦いたいんです。同志と共に。」

「そうして時代を変える。貴方という強大な敵を倒してね。」


新海は真田の口上を鼻で笑うと自らも刀に手をかける。


「いいだろう。悪いが倒されるつもりは毛頭ないがな。」


新海の周りを深い殺気が囲みだす。


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