君が為に日は昇る
連行されていく幕狼の面々を眺める。皆真っ直ぐに前を見据え、敗北を何一つ恥じることはないという表情をしている。
潔い。彼らもまた侍なのだ。新たな時代を認められず消えゆく、悲しい存在。
「終わったな。」
不意に、後ろからかけられた声。やけに懐かしく感じる声。
「政次…。ぼろぼろじゃないですか。片目も。」
「お前も似たようなもんだろ。立っているのがやっとって感じだぜ。」
互いに顔を見合わせて笑う。久々の安心感。
方々の続いていた戦いは連合の勝利に終わったようで、次々に捕縛された幕狼の隊士が集まってくる。
「時代が、変わるか。」
「…ええ。後は、彼が戻ってくるのを待つだけですよ。」
「戻ってくるよな。」
「さぁ。わかりませんね。」
兵が誰ともなく叫ぶ。
「見ろ!夜が、明けるぞ!」
それは美しい朝焼けの光。時代の変革を決定付けるような、闇を裂く光。
「…けれど。彼は、強いですから。」
全てを包む、夜明けの光。
━ねぇ、源五郎。
『其の弐、夜明けの光』
終
潔い。彼らもまた侍なのだ。新たな時代を認められず消えゆく、悲しい存在。
「終わったな。」
不意に、後ろからかけられた声。やけに懐かしく感じる声。
「政次…。ぼろぼろじゃないですか。片目も。」
「お前も似たようなもんだろ。立っているのがやっとって感じだぜ。」
互いに顔を見合わせて笑う。久々の安心感。
方々の続いていた戦いは連合の勝利に終わったようで、次々に捕縛された幕狼の隊士が集まってくる。
「時代が、変わるか。」
「…ええ。後は、彼が戻ってくるのを待つだけですよ。」
「戻ってくるよな。」
「さぁ。わかりませんね。」
兵が誰ともなく叫ぶ。
「見ろ!夜が、明けるぞ!」
それは美しい朝焼けの光。時代の変革を決定付けるような、闇を裂く光。
「…けれど。彼は、強いですから。」
全てを包む、夜明けの光。
━ねぇ、源五郎。
『其の弐、夜明けの光』
終