君が為に日は昇る
ぶつけろ、力を。
繰り出せ、技を。
感じろ、痛みを。
絞り出せ、声を。
賭けろ。命を。
刀は鞘へ。放つは抜刀。姿勢は低く。地を這う如く。
そうして夜太は駆けた。稲妻が如く。否、それよりも疾く。
迎え撃つ血まみれの狼。構えは変わらず大上段。地を這う小虫を噛み潰さんと待ち構える。
━血迷ったか!突撃に転じるなど!
身体、微動だにせず。ただ心は生にしがみつく。
「笑止っ!」
距離が縮まる。決着迫る。血で血を洗う戦いに今、終止符が打たれようとしている。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
狼の遠吠え。振り下ろす。破壊の牙。
剣速、体勢、機会、全てにおいて申し分ない。
━殺った!!
確信した。直線上に突撃してきた夜太を大上段で叩き潰す。感触あり。
舞い上がる土煙が、砕け散る大地が、その威力を明確に物語る。
「俺の…!勝ちだ…!」
口角を吊り上げ狂った笑みを見せる。
晴れていく土煙。そこに転がるのは両断された
蒼い鞘。
━お前の。
「源五郎っ…!」
繰り出せ、技を。
感じろ、痛みを。
絞り出せ、声を。
賭けろ。命を。
刀は鞘へ。放つは抜刀。姿勢は低く。地を這う如く。
そうして夜太は駆けた。稲妻が如く。否、それよりも疾く。
迎え撃つ血まみれの狼。構えは変わらず大上段。地を這う小虫を噛み潰さんと待ち構える。
━血迷ったか!突撃に転じるなど!
身体、微動だにせず。ただ心は生にしがみつく。
「笑止っ!」
距離が縮まる。決着迫る。血で血を洗う戦いに今、終止符が打たれようとしている。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
狼の遠吠え。振り下ろす。破壊の牙。
剣速、体勢、機会、全てにおいて申し分ない。
━殺った!!
確信した。直線上に突撃してきた夜太を大上段で叩き潰す。感触あり。
舞い上がる土煙が、砕け散る大地が、その威力を明確に物語る。
「俺の…!勝ちだ…!」
口角を吊り上げ狂った笑みを見せる。
晴れていく土煙。そこに転がるのは両断された
蒼い鞘。
━お前の。
「源五郎っ…!」