君が為に日は昇る
『幕間、秘めた想い』
「お雪。そうそわそわせずに座ってなさい。」
同刻、お稲婆の家。
そこでは二人が、今か今かと夜太の帰りを待ちわびていた。
余程心配なのだろう。
お雪に至っては囲炉裏の周りをぐるぐると周り、落ち着かない様子である。
「あんたが心配したからって夜太が早く帰ってくるわけじゃないよ。」
「だって…!飛び出してってからもう随分たつのに…。全然戻ってこないんだもん!」
お雪は不安を誤魔化すように大きな声をあげる。
夜太が出ていってから取り乱す彼女をお稲婆が諭す。こんなやりとりがずっと繰り返されていた。
「静かにおし。夜太に言われたろう。大丈夫。あの子は約束を破る子じゃないよ。」
その時、遠くで何かが弾けたような音。
森の中を駆け抜け、銃声はここまで届いていた。
「だって…夜太が死んじゃったら…。あたし…。あたし…。」
大きな瞳からポロリと大粒の涙が溢れ落ちる。
その綺麗な顔をくしゃくしゃにしながらお雪は泣き崩れていた。
「銃声だって二度目だよ…。もし夜太が撃たれてたら…。」
「大丈夫だよ…。」
お稲婆が優しくお雪の体を抱きしめる。
同刻、お稲婆の家。
そこでは二人が、今か今かと夜太の帰りを待ちわびていた。
余程心配なのだろう。
お雪に至っては囲炉裏の周りをぐるぐると周り、落ち着かない様子である。
「あんたが心配したからって夜太が早く帰ってくるわけじゃないよ。」
「だって…!飛び出してってからもう随分たつのに…。全然戻ってこないんだもん!」
お雪は不安を誤魔化すように大きな声をあげる。
夜太が出ていってから取り乱す彼女をお稲婆が諭す。こんなやりとりがずっと繰り返されていた。
「静かにおし。夜太に言われたろう。大丈夫。あの子は約束を破る子じゃないよ。」
その時、遠くで何かが弾けたような音。
森の中を駆け抜け、銃声はここまで届いていた。
「だって…夜太が死んじゃったら…。あたし…。あたし…。」
大きな瞳からポロリと大粒の涙が溢れ落ちる。
その綺麗な顔をくしゃくしゃにしながらお雪は泣き崩れていた。
「銃声だって二度目だよ…。もし夜太が撃たれてたら…。」
「大丈夫だよ…。」
お稲婆が優しくお雪の体を抱きしめる。