君が為に日は昇る
「真田殿を…餌にしたと?」
額に青い筋が浮かべ詰め寄る大久保。
「そうだよ。」
「っ!」
怒声をあげようとした大久保の口に彼はそっと手をあてた。
「兵が動揺する。」
あっさりとした口調。冷静に、淡々とした態度を東雲は崩さない。
「もし真田が死ねば援軍は押さえ込まれるだろう。そうすれば我々も終わりさ。」
「…!!」
「もしこの戦いに勝ってもね。」
口を塞がれたまま大久保は気付いた。これは信頼なのだ。真田に寄せる絶大な信頼。
「ある意味じゃ奴にかかってる。」
彼は再び微笑むと大久保の口から手を離した。
「信頼されてるのですな。」
他人に自らの命運を託すまでに。
「ああ。」
彼は刀を抜き、ゆっくりと前に歩き出す。
「まずは我々の仕事を成功させなければな。この天ヶ原に勝ち援軍を待つ。」
「そこで、総力戦ですな。」
「そういうことだ。さすが大久保殿。」
二人は互いに顔を見合わせ歯を見せ笑う。
「さぁ皆の者!この戦必ず勝つぞ!気合いを入れろっ!」
『うぉぉぉぉぉ!!』
『其の壱、天ヶ原の戦い』
終
額に青い筋が浮かべ詰め寄る大久保。
「そうだよ。」
「っ!」
怒声をあげようとした大久保の口に彼はそっと手をあてた。
「兵が動揺する。」
あっさりとした口調。冷静に、淡々とした態度を東雲は崩さない。
「もし真田が死ねば援軍は押さえ込まれるだろう。そうすれば我々も終わりさ。」
「…!!」
「もしこの戦いに勝ってもね。」
口を塞がれたまま大久保は気付いた。これは信頼なのだ。真田に寄せる絶大な信頼。
「ある意味じゃ奴にかかってる。」
彼は再び微笑むと大久保の口から手を離した。
「信頼されてるのですな。」
他人に自らの命運を託すまでに。
「ああ。」
彼は刀を抜き、ゆっくりと前に歩き出す。
「まずは我々の仕事を成功させなければな。この天ヶ原に勝ち援軍を待つ。」
「そこで、総力戦ですな。」
「そういうことだ。さすが大久保殿。」
二人は互いに顔を見合わせ歯を見せ笑う。
「さぁ皆の者!この戦必ず勝つぞ!気合いを入れろっ!」
『うぉぉぉぉぉ!!』
『其の壱、天ヶ原の戦い』
終