君が為に日は昇る
『其の弐、強襲の狼』
「もう侍の時代は、終わるんだな。」
中年の男はは短い言葉を口にする。
「…違うな。本当は、既に終わっていたのさ。」
「その事実を認めない。受け入れられない。」
「だから未だに、刀を手にしている。」
「どうあがいたところで、俺達は。」
「人斬りなのだから。」
天府、幕狼隊屯所。
次々に天ヶ原に出発していく兵を眺めながら幕狼隊副長、陸野歳揮(りくのとしき)は呟いた。
戦争は変わる。
時代が進むにつれ、戦争は刀や槍より銃や大砲などといった近代兵器を必要としていったのだ。
名だたる達人が銃や大砲の前に成す術もなく打ち倒されていく。
それがこの時代の戦争だった。
「らしくない言葉だな。哲学にでも目覚めたのか?」
中年の男はからかうような口調で彼に笑いかける。
陸野はそれを気にかける様子もなく兵から男の方へ視線を変える。
「五月蝿い。それで、俺達の出番はいつなんだ。新海、いや局長殿。」
『幕狼隊局長、新海勇(しんかいゆう)』
人斬り集団、幕狼隊を副長陸野と共にまとめあげる男。
中年の男はは短い言葉を口にする。
「…違うな。本当は、既に終わっていたのさ。」
「その事実を認めない。受け入れられない。」
「だから未だに、刀を手にしている。」
「どうあがいたところで、俺達は。」
「人斬りなのだから。」
天府、幕狼隊屯所。
次々に天ヶ原に出発していく兵を眺めながら幕狼隊副長、陸野歳揮(りくのとしき)は呟いた。
戦争は変わる。
時代が進むにつれ、戦争は刀や槍より銃や大砲などといった近代兵器を必要としていったのだ。
名だたる達人が銃や大砲の前に成す術もなく打ち倒されていく。
それがこの時代の戦争だった。
「らしくない言葉だな。哲学にでも目覚めたのか?」
中年の男はからかうような口調で彼に笑いかける。
陸野はそれを気にかける様子もなく兵から男の方へ視線を変える。
「五月蝿い。それで、俺達の出番はいつなんだ。新海、いや局長殿。」
『幕狼隊局長、新海勇(しんかいゆう)』
人斬り集団、幕狼隊を副長陸野と共にまとめあげる男。