君が為に日は昇る
両軍が激突したのはそれからすぐのことだった。
挟撃を仕掛けた反幕府勢力に対し幕狼隊は兵力を二つに割いた。
前方指揮を新海。後方指揮を陸野がそれぞれ採り、迎え討つ。
戦いは、凄惨で圧倒的なものとなった。
最初にその腕を振るったのは陸野。
猛然と進軍してくる反幕府勢力の波に単身立ち塞がる。
「まぁ精々、楽しませろよ。」
刀を抜けば目にも止まらぬ速さ。片手に握った刀で横薙一閃、一人を叩き斬った。
「かっ…!」
舞い上がる鮮血。真っ赤な大輪の花を咲かせながら胴を両断されたそれはゆっくりと崩れ落ちる。
その一撃。形容するのであれば暴風とでもいうのだろうか。
その場の全員が斬られた。
まるでそう錯覚するような明確な威力を見せた一撃は、進軍する兵の足を完全に止まらせた。
「はっ。おいおい。この程度で怯んでもらっちゃ困るぜ。」
「なぁ?」
「ひっ…!」
ぶちまける凶悪な殺気。妖しく揺れる眼光。笑いながら返り血を舐める口元。
そこに立つのは、紛れも無い修羅。
陸野は既に、人ではないのかもしれない。
挟撃を仕掛けた反幕府勢力に対し幕狼隊は兵力を二つに割いた。
前方指揮を新海。後方指揮を陸野がそれぞれ採り、迎え討つ。
戦いは、凄惨で圧倒的なものとなった。
最初にその腕を振るったのは陸野。
猛然と進軍してくる反幕府勢力の波に単身立ち塞がる。
「まぁ精々、楽しませろよ。」
刀を抜けば目にも止まらぬ速さ。片手に握った刀で横薙一閃、一人を叩き斬った。
「かっ…!」
舞い上がる鮮血。真っ赤な大輪の花を咲かせながら胴を両断されたそれはゆっくりと崩れ落ちる。
その一撃。形容するのであれば暴風とでもいうのだろうか。
その場の全員が斬られた。
まるでそう錯覚するような明確な威力を見せた一撃は、進軍する兵の足を完全に止まらせた。
「はっ。おいおい。この程度で怯んでもらっちゃ困るぜ。」
「なぁ?」
「ひっ…!」
ぶちまける凶悪な殺気。妖しく揺れる眼光。笑いながら返り血を舐める口元。
そこに立つのは、紛れも無い修羅。
陸野は既に、人ではないのかもしれない。