君が為に日は昇る
遅れて流れ出る赤々とした血液。
首筋にくっきりと残った傷跡。狼の牙が喉笛を掻き千切る。
新海が放ったのは刹那の抜刀。いわゆる、居合い。
片手で振りきった刀には血の痕跡すら無く、刀身に妖しい輝きを残す。
その速さたるや凄まじい。抜刀、軸足、腕の振り。全てが眼に映らぬ程。
刀に手をかけたとほぼ同時に姿を現した刀。
神速とも言える閃光が兵の命を一瞬で刈り取った。
「一匹たりとも逃がすな。これは、戦いではない。」
刀を納め後ろを振り向く。その背中を兵達はただ黙って見ている。否、見ていることしか出来ない。
「これは狩猟だ。さぁ喰らい付くせ。お前ら。」
冷酷に笑う。
『しゃあああああ!!』
待ちくたびれたとばかりに歓喜の声をあげ突撃する狼達。
完全に臆した兵達は逃げ出す者、立ちすくむ者、半狂乱に刀を振り回す者。
反応は様々であったが勝敗はもう、明らかだった。
「おお陸野。もう後ろはいいのか?」
「ああ。まだ何人か抵抗してるが直に片付く。まったく、腹の足しにもならねぇぜ。」
「ふ。確かにな。」
首筋にくっきりと残った傷跡。狼の牙が喉笛を掻き千切る。
新海が放ったのは刹那の抜刀。いわゆる、居合い。
片手で振りきった刀には血の痕跡すら無く、刀身に妖しい輝きを残す。
その速さたるや凄まじい。抜刀、軸足、腕の振り。全てが眼に映らぬ程。
刀に手をかけたとほぼ同時に姿を現した刀。
神速とも言える閃光が兵の命を一瞬で刈り取った。
「一匹たりとも逃がすな。これは、戦いではない。」
刀を納め後ろを振り向く。その背中を兵達はただ黙って見ている。否、見ていることしか出来ない。
「これは狩猟だ。さぁ喰らい付くせ。お前ら。」
冷酷に笑う。
『しゃあああああ!!』
待ちくたびれたとばかりに歓喜の声をあげ突撃する狼達。
完全に臆した兵達は逃げ出す者、立ちすくむ者、半狂乱に刀を振り回す者。
反応は様々であったが勝敗はもう、明らかだった。
「おお陸野。もう後ろはいいのか?」
「ああ。まだ何人か抵抗してるが直に片付く。まったく、腹の足しにもならねぇぜ。」
「ふ。確かにな。」