*星空に祈りを*
…しばらくの沈黙を破ったのはレンだった。

「…早紀…?どうしました?」

レンの声にはっとした。


「…あっ。だっ大丈夫!ごめんっ!ぼぉっとしてた!」

心配そうに見つめてくるレンにそう言った。

すると雅人と美沙がまた「ごめんね…。」って謝ってきたんだ。

「あっ!大丈夫だよ!謝らないで!そっそれに…レンは彼氏なんかじゃないよ…?」

その言葉に2人は顔を見合わせて「えっ??」っていうような顔をした。


「本当なの?早紀?…彼氏じゃない…えっ!?じゃ誰!?私知らなかったわよ!早紀にこんなかっこいい知り合いがいるなんてっ!!」

美沙の目は一気に輝いてあたしにすごい勢いで問い詰めてきた。

その迫力にあたしはしどろもどろ。

誰って…何て答えたらいいんだろう?
まさか異世界からきたなんて言えないし……。

ん~っと…と悩んでいたら余計に美沙は「誰っ!?誰っ!?」って聞いてくる。


(えぇっ~!どっどうしようっ!何て答えたらいいの~!?)


「早紀ぃっ!!」

目の前には輝かしい程の笑顔の美沙。

「…うえっ…えぇっと……。…あっ!いっイトコ!そうっイトコのレンよっ!今訳があってうちに居るの!!」

あたしはそうひらめいた。

(そうよっ!これでいこっ)
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