*星空に祈りを*
話しもほどほどにあたしとレンは本を探した。

いろいろと本を探したりしたのだけどなかなかピンとくるような本がない……。

「はぁ…やっぱりないのかなぁ……。」

誰もいない通り。
本棚から本を探しながら、あたしはため息混じりにそうボソッとつぶやいた。



「お嬢さん。何の本をお探しかね?」


ふと声が聞こえた。


「…えっ……」


そう声のする方を見たら腰の曲がった。白い長い髭を生やした、いかにも優しそうな杖をついた。よぼよぼなおじいちゃんがそこには立っていた。

そしてもう一度…


「何をお探しかね…?」

あたしは思わず言った。


「あっ…あの異世界に行く方法が書いてある本…!」


言ってしまった直後に気がついた。


(あっ!あたしっ…何言ってるんだろう。)

「あっ…ごめんなさい。なっ何も探してませ……」

言葉の途中でおじいちゃんの言葉に遮られる。

「今から言う場所に行きなされ。」


(えっ……??)


「なっ何を言って…」


「………の奥にある……の…いえ……。」


なんだかおじいちゃんの声が聞こえにくくなった。

「えっ!な何っ?よく聞こえない!」

するとおじいちゃんはあたしのおでこに手のひらをかざし…


変な呪文を唱えた。
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