*星空に祈りを*
「…翔太は…ずるいよ…本当に今さらだよ…」


翔太は早紀をただ抱き締め涙を拭い続けた。

早紀はそんな翔太に今まで我慢していた翔太へのあの時の想いを思い切りぶつけた…。


黙って優しく聞く翔太に早紀の想いはますます困惑した…。


昔の優しい翔太が今目の前にいる…。

あの時の冷たい酷い翔太ではなく…付き合っていた同時の優しい翔太が居たから…。


「…っどうして?どうしてなのっ…?」


目の前に居る翔太に戸惑いを隠せず早紀は聞いた


「…早紀っ……」

早紀の問いに一瞬で翔太の顔が更に切なさを増した。

そんな翔太の切ない表情を見て早紀は…それ以上何も言えなくなった。


翔太は多分何かあったのだろう…あの時優しかった翔太の性格を変えてしまうほどの何かが…あったんだろう…そう早紀は思った…。


しばらく無言になった…


ただお互いを見つめた。
早紀の涙を拭い優しく抱き締め……

切なかった…。
2人の間に今まであった溝に…

切なさを感じた…。
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