*星空に祈りを*
溢れ出る早紀の涙をただ手で拭う翔太。

早紀が流す涙を止めたくて…

封じた早紀を想う気持ちは止まらなくなった…

気付いたら早紀の細い体を翔太がキツく抱き締めた。


ぎゅぅっっと…

キツく

「早紀っ!泣くなよ…お前が泣いたらどうしていいかわかんねー…」


翔太の熱い腕の中で早紀はただ泣いた。

「…ッヒック……グスッ…」


静かに流れる風はただ2人を横切る…


しばらく時が経ち…
静かに翔太が言葉を発した…。

「…早紀っ…俺今でもお前の事が好きだっ…」


ただ抱き締める力は強くなり…

想いと共に比例して…。

翔太の想いは痛いくらいに早紀に伝わった…。

やっぱり今も昔も翔太は優しく。


―早紀を包み込んだ―


「好きなんだ早紀っ。もう一度俺とやり直してくれね―か…?」


翔太の想いに溢れる涙は止まらない。


静かな時がゆっくりと流れる。
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