*星空に祈りを*
早紀への気持ちがあるのに今の早紀と自分との距離は、こんなにも遠い…。

散々早紀を傷つけつきた自分の今の早紀への気持ちを押し付ける事はできない…


(どうして俺は早紀をこんなにも好きなのだろう…)


切ない気持ちが胸に押し寄せてくる。
後悔とはこういう事を言うのだろう…。

溢れ出る気持ちを抑え…
これ以上早紀を傷つけたくない。
困らせたくない。


切なげな瞳で早紀を見つめた。
そんな翔太の瞳に早紀も切ない表情で翔太を見つめた。



((どうしてこんなにも遠いんだろう…))


翔太は男としてけじめを


―早紀をあきらめよう―


「早紀…お前の事は諦める…。だけど1つだけ俺のわがまま…聞いてくれ」



―お前を…早紀を最後に抱き締めさせてくれ―



最後の翔太の腕の中は今まで以上に心地よかった。


キツく…強く…熱く…。


切なさの気持ちが今まで以上に溢れ出た。


翔太の体温を感じ…涙が溢れて止まらない。


―どうしてっ…。どうしてこんなにも遠いのだろう…―


こんなにも今近くにいるのに…


何故…?


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