カラフル・バニー
渚は当然顔を歪める。


「チビって言ったのよ。このカス男!」

「…なんだ急に。とうとう頭逝ったんじゃねーの?てめぇ。」

「さんざん期待させといて何さ」

「何を期待したんだよ…飯ならねぇぞ?」


とんだ鈍感男だ。そんなんで、あたしのことを、とやかく言える資格はないだろう。


「はぁ…もういい…また窓でも割って逃げたら?」

「は?」


寒いのを承知でジャケットを脱ぎ、渚に渡す。


「返すね。これ」


体全身にびっしりと鳥肌が立つのが分かる。痺れまで感じるほどだ。


「…お前は、それで寒くねーのかよ」

「ん。寒くない」

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