カラフル・バニー
大分見栄を張った。いくら寒かろうが、凍え死のうが、ここは女の意地もあるからだ。


「渚のバーカ…鈍感野郎」

「…さっきから何言ってんだ、てめぇは。つか俺よりお前の方が、鈍感だろーが」

「あたし敏感だし。なぎ…」


唐突に腕を引っ張られ、引き寄せられる。そのまま床へ倒された。

冷たくて固い。


「渚、なにしてんの!離してよ!」

「離したらどうせ逃げんだろ?だからヤダ」

「はあ!?何、ガキみたいなこと言ってんのよ。離し…」

「離さねーよ。分かってんだろ?前、言った俺の言葉の意味」

「…だったら、渚も分かるよね?あたしの期待の意味」


共に沈黙が続く。あたしは隙を狙って、渚の手を振り払おうとしたが、無駄だった。

力が強すぎる。


「分かんねー」


3分程度経過した所で沈黙が破れた。

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