カラフル・バニー
「浬子にも問題あるんじゃないのかい？成宮のときだって、こんなんだったしよ」

「まあ、本来ならば、お2人さんに任せるべきなんだが、この2人は例外だよなぁ…」

「どっちも素直じゃないし、わがままなんだろうね」


さっちゃんの言葉が身に沁みる。涙腺が緩み、ちょっと泣きそうだ。


「やっぱり、お互い変なプライドっつーか…なんか持ってんじゃねーの？」

「そんなもん捨てちまえばいいのにねえ」

「それが出来ないからいつまで経っても、進歩しないんだろうな…」


進歩…はしているような、していないような…複雑な瀬戸際にいる。


「あの渚の性格から言って果たして、進展できんのかい？」

「…無理っぽそうだな」

「だろうな。せいぜい、手繋いで真っ赤になって、ハイ！終了ー…みたいな感じじゃないのかい？」

「情けないな。つか、男として、あそこまで強くプライド持つ奴も珍しいよな」

「そういう奴に限って、結婚が早く決まるもんなんだよ」
< 106 / 150 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop