カラフル・バニー
「160㎝はいってるよね?」


懲りないあたしは質問を変えつつも、今の状況を続けようとする。


「しつけーな。168だっつの!」

「へぇあたしより、8㎝も上なのか…」


とうとう怒りの頂点に達してしまった渚は、その場から去っていった。


「…しょうがないじゃん。アンタが変なことするから、あたしだって会話考えないと、身がもたないんだよ…」


その直後にあたしは独り呟く。顔が火照り今も熱を帯びている。

平常心が保てない…


「恥ずかしい奴だな。あたしは…」


軋む階段に足をかける。星もろくに見れなかった。

 
「さっちゃんにまた相談しよーっと」


心虚しく独り言を放ち、部屋へと向かう。
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