カラフル・バニー
「お、浬子うさぎだ」

「さっちゃんうさぎ今いる?」

「おう。ポケットの中で生き埋めになってる」


なんと居た堪れない事であろう…さっちゃんうさぎ。


「なぁ浬子、うさぎはどうでもいいとして…お前の言いたいことはこんな事じゃないだろう?今日何あった?」

「…渚がまた変だった」

「どんな風に?」


今日あった『事』のいきさつを、またさっちゃんに話す。これでもう何回迷惑をかけたのだろうか。


「…とんだ純情野郎だな。抱きついたことも事故なんだろ?」

「まあ…」

「そんな初歩的なことで、照れるなんてガキ中のガキだね。この先が心配だよ」

「…あの、早智子さん?」


会話に不安を覚えたあたしは、慣れない本名でさっちゃんを呼ぶ。




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