カラフル・バニー
「じゃ、俺行くわ!」

「おう。さっさと失せろ、つるっぱげ」

「おまえなぁ…あ、俊介ぇー!渚、どこにいんだよ」

「バンガロー中央の、フロントの所にいねぇー?」

「サンキュ!」


風のように過ぎ去るイチを呆然と見送った。


「元気だねぇ。イチ」

「あれだけがアイツの取柄だからな」


さっちゃんも最近毒舌に近い言葉を、発するようになってきた。

ちょっとショックを受ける。


「お前もいい加減に着替えろよ」


ぼーっとくだらないことを思い更けてると、さっちゃんが声をかけた。

そう言われてみれば、自分がまだTシャツだということに気づく。


「そこの黒いやつ着ればいいだろ」

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