カラフル・バニー
さっちゃんが指差したのは、昨日渚が貸してくれたトレーナーだった。


「…このトレーナーにさ、その水玉の柄の
フードついたパーカー合わしたら変かな?」

「別にいいんじゃないかい?変じゃないよ」


上手く合うか心配だったものの、自分なりのセンスで着こなした、この服が以外にも合っていて嬉しかった。


「これ渚の匂いがする」

「変質者か、お前は…ってそれ渚のなのかい?」

「あ、言ってなかったっけ?」


…なんだろう。どこかで嗅んだことのある匂いだった。

夏っぽくてクセのないこの香水…


「良かったな。後でちゃんと礼しとくんだぞ」

「うん。何か買うつもり」

「頑張れよ。ただでさえ、浬子はセンスないからな」

「ひどいなー!あたしだって、ちゃんとした物選びますよ」



< 116 / 150 >

この作品をシェア

pagetop