カラフル・バニー
「いいよ、それ!イチのお母さんに似合うよ」

「おぉそうか。じゃ、買ってくるわ」


レジに直行するイチを見送り、あたしは自分の商品を見る。家族には、鈴の形をした可愛らしいクッキーを買っていくことにした。

ちらちらと見て回ってると、なんと着物に身を包んだカラフル・バニーを発見する。


「嘘…このうさぎって結構マイナーじゃないのかも…」


すぐさまオレンジ色のうさぎを手に取り、かごに入れる。

せっかくなので皆の分も奢る事にした。


「なんかいい買い物したなー」


気分良く跳ね上がるあたしを、さっちゃんは不思議そうに見ながら、こちらに向かって来た。


「何かいいモンでもあったのかい?」

「うん。見てこれ」

「まーたそれかい。…って、ん?浬子4つも買うのか?」

「ああ!これさっちゃんたちの分。奢るよ」

「…浬子に奢られるのもシャクだしな。この2つはあたしが買うよ」
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