カラフル・バニー
そう言ってさっちゃんはかごからスッとうさぎを取り出す。この行為はあたしにも、お財布にもとても優しかった。


「あと何買おうかな」


一通りを見て、最終的に行き着いた場所は、ちょっとオシャレで高価そうな物が並ぶ免税店。


「いらっしゃいませ」


甘く透き通った香りを撒き散らす目の前のお姉さん。

あたしなんか場違いもいいところだが、ここには香水を買いに来たのだ。


「何をお探しですか?」


声をかけられ思わず挙動不審になる。


「ぅ…っあ…の香水をちょっと」

「ムスクとかそういう感じのですか?」

「いえ、そんなに濃くなくていいです。爽やかで夏っぽいのを…」

「かしこまりました。少々お待ちください」


お姉さんは奥へと足を進めた。持ってきたのは黄緑がかった水色のボトル。

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