カラフル・バニー
イチはヤケクソになりながら、渚の手を引いた。さっちゃんはそんなイチを見て、にやりと笑いながら


「しばらくはこのネタで遊べるな」


と言った。

あたしはこの時、改めてさっちゃんが怖いと思う。


「まーたこの坂歩くのかよ。クソだりぃ…」


渚がまたぼやく。そのわりには、さっき余裕そうだったではないか。


「あ、そういえばつるっぱげ。これ浬子からだ」


そう言ったさっちゃんが取り出したのはあの着物うさぎ。あたしも慌てながらそれに続く。


「渚!これ」


袋から取り出し、渚に渡す。


「はぁ?またその眼帯野郎かよ」

「いいから!黙って受け取ってよ。そして頼んでよ。背が伸びますよーにって」

「余計な世話やいてんじゃねぇ」

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