カラフル・バニー
渚の顔がスッと近づいてきた。その瞬間あたしは後ろに仰け反る。


「バカ!後ろ…っ」


渚が突然大きな声を出した。何事かと思い背後を見てみると、あたしの頭を支える骨ばった渚の手が目に映った。


「…っ危ね…お前、自分からフェンスに突っ込もうとしてんなよ」

「ご…めん」


渚は抱きかかえたあたしを元に戻す。真っ赤に染まるあたしの顔。


「ありがとう…」

「別に。つか熱でもあんじゃねーの、てめぇ。顔真っ赤」


そう言ってあたしの額に手を当てた鈍感男。


「やっぱり。保健室行くか?」

「え!?嘘、ないない!顔赤いのは…」

「赤いのは?」


言えるはずがない…言うと同時にあたしの気持ちをさらけ出すことになる。


「…なんでもない。でも、熱はないよ」
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