カラフル・バニー
「じゃあなんで顔赤くなんだよ。おかしーだろーが」

「…そこまで気づいててなんで分からないかな…」

「は?」


あたしはため息をついた。人の気持ちには敏感なのに、いざ自分のこととなると鈍い、この男。

どうにかならないのだろうか…


「あたしと渚は多分考えてることが同じ…これ言ってもまだ分かんない?」

「え…」

「今言ったことが分かんないなら、アンタの誕生日まで待って。その時になったら絶対言うから」

「は?…ちょ…っ」


あたしは屋上から去る。今になって渚の黒いトレーナーを返しそびれていたことに気づく。


「やば…」


気持ちの整理をしなければいけないのは、渚の誕生日まで。それまでにきちんと自分と向かい合おうと決心する。


「まずはあの2人に相談だ」
< 136 / 150 >

この作品をシェア

pagetop