カラフル・バニー

甘酸っぱい赤うさぎ

覚悟を決めてからというもの、渚とどう接していいものかと困惑する毎日だった。


「浬子なぁ…挙動不審になる気持ちも分かるけど、あからさますぎねぇか?」


イチが目を細めながらあたしを見る。


「だ、だってさぁ…」

「渚キレてたぞ。『うぜぇ』とかなんとかって…よ」

「嘘!」


あたしだって一応迷い悩む。だけど、とにかく今は渚に謝ろう。


「イチ!さっちゃんに『あたしは屋上行ってる』って言っといて!」

「おー…つか早智子何処にいんだ?」

「さっき購買でどっさりお菓子買ってたー」

「アイツ…」


あたしは駆けた。そして屋上に着く。

大袈裟過ぎるこの思いが溢れ出した。


「渚…ってあれ?寝てるし…」

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