カラフル・バニー
日に当たった渚の顔。


「最初に会った頃も同じ顔してたね…」


あたしはそう言って渚の髪の毛を静かに触る。火照ったその漆黒は、柔らかくなびいた。


「…ん…」

「あ、渚起きた?」


あたしは呑気にそう言った。


「…っ!何…してんだよ、てめぇは」

「何って…渚に謝りたくてさ」


そう言って自分の首筋を静かに触る。


「何のだよ」

「だから…さ、今までのあたしの態度?」

「は?」

「とりあえずごめんなさい」


渚はあたしの顔を見ると、突然笑い出した。


「…っは、相変わらずわけ分かんねーやつ」


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