カラフル・バニー
せっかく全身全霊を込めて、謝ったのにあまりにも失礼ではないだろうか?


「分け分かんないって何さ!」

「つかお前が謝るとかきめぇ」

「ひどっ」


あたしは、先程の言葉を取り消したいと1人悔やむ。


「あーもうこんなことなら、謝んなきゃ良かったぁ」


青い空に不釣合いなため息。渚はそんなのお構い無しに、伸びをする。


「あ、そーいや圭が、7月の何日かに俺の家でなんかやるっつって張り切ってたけど、何?」

「ああ、渚の誕生会するの。プレゼント、買っとくから楽しみにしといて」

「ふーん」


またいつものようにそっけなく返す渚。


「よし、そろそろ戻ろ。イチも心配するし」

「マジだりぃ…」

「そんなこと言ってないで。ホラ立つ!」

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