カラフル・バニー
「渚は誰にでも同じ態度だよ。俺にも、お前にも」

「そんなことないよ。あたし、たぶん渚に嫌われてるし。でもそれは、これから仲良くすればいいだけのことだし。ね?」

「浬子らしい考…あ…」


いきなりイチと渚の会話が途切れた。イチはまた目を大きく見開き今度はあたしではなく
あたしの頭部より奥へと目線をずらした。


「渚…」

「え、渚?渚なんているわけないじゃん。屋上にいるんだし」

「消えろ。邪魔だ、クソ女。俺は圭に用があんだよ」


その言葉の直後にあたしの頭はぐいっと仰け反りそのまま後ろに勢いよく倒れこんだ。


「痛いなー!!渚チビのわりには、やけに力あるよね。窓ガラスぶっ壊したりさぁ」

「黙れ。人の諸事業に首突っ込んでんじゃねーよ」

「諸事業じゃなくて諸事情でしょ?どうやったら間違えられんの、そこ」

「そうだ。圭、今日俺の家来い」


あたしの真心こめた忠告を渚はあっさりと無視し、イチと会話をし始めた。



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