カラフル・バニー
そう。本題に戻すとあたしはさっちゃん
に聞きたいことがある。


「ねえ。さっちゃん
黒沢渚って知ってる?」

「噂なら聞いたことがある」

「それってどんな感じか教えてもら
える?」

「1分、百円でならいいぞ」

「あ、そこのウェイターさん。おかわり
くださーい」

「無視か。まあいいや…黒沢はだな
ほとんど学校に来ていないそうだ」

「あぁ聞いた。で?」

「終了」

「はい?」


さっちゃんが席を立った。

「私よりも美琴に聞いた方がいいぞ。
面倒事はミーハー女の方がよく
知ってるからな」


そう言ってさっちゃんは店を
出て行ってしまった。


未だに溶けていない時代遅れの氷が
カランと音をたてた。
涼しそうで何か物足りなさそうなその音
が心を静かに和ませた。


< 2 / 150 >

この作品をシェア

pagetop