カラフル・バニー
「あーもう、分かった。お前に話した俺が馬鹿だった。ホラ、渚の家行こうぜ」


さっちゃんの屁理屈をこうも上手く避けれるイチは、やっぱり尊敬する。


「渚ー来たぞー」

イチが渚に笑いかけると渚は、何故だか思い切り眉間にしわを寄せた。

「…なんで圭以外の人間もいるんだよ」

「ああ。おまけだ、おまけ」

「ハロー!渚君。あらあら、ご機嫌麗しくないですねぇ。ご紹介しましょう。こちらはあたしのお友達の、小田早智子。通称さっちゃんでー…」


バンっと音がしたかと思うとあたしとさっちゃんは、家からはじき出されていた。


「一生来んな!!」


渚はそう怒鳴り家の鍵を閉めた。その直後、大きな物音がした。


「おーい浬子!家の中に入れるぞ!」


さっちゃんが大きく手を振っている。渚の家のドアがこれでもかというくらい、メタメタに、ぶっ壊されていた。


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