カラフル・バニー
「あ…血だ」


手から流れ落ちるグロテスクなものにあたしは寒気を覚える。


「お前…何したんだよ!?」


突然の背後からの声。すぐに渚だと分かる。


「ごめん。渚…コップこんなんにしちゃった…」

「違ぇよ!手だよ。お前、割れたのわざわざ拾ってんじゃねーよ!」

「え…でも割ったのあたしだよ。コップ」

「ゴチャゴチャ口開くな。手かせ!…うわ血すげー」


あたしの手の血を綺麗に拭き取り、包帯を巻く渚。あんまり下手に巻くので、思わず笑ってしまった。


「笑ってんじゃねーよ」

「だって、渚不器用すぎるんだもん」

「しょーがねーだろ。こんな布、人間に必要ねーよ」

「はは。使ったことないの、包帯?無茶苦茶だなぁ」

「割れたグラス拾うお前に言われたくねーよ」
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