カラフル・バニー
渚が巻いてくれた下手くそなこの包帯がみょうに嬉しくて、何より優しかった。


「よしイチとさっちゃんの邪魔しに行きますか。2階行こう!渚」

「…今更あれだけどよ、テメー名前名乗ったか?」

「あぁ、忘れてた!てか興味ないと思って。あたしの名前」


まさか、聞いてくるとは思わなかった。


「いいから言え」

「浬子!山下浬子!」

「リコ?」

「カイリに子供の子って書くんだよ」

「ふーん」


渚は自分から聞いたのにも関わらず、そっけなく返事を返した。だけど、名前を聞いてもらっただけでも大きな進歩だと思う。
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