カラフル・バニー
「はぁ?あいつマジ意味分かんねー…」


そう渚が言う前に。

『浬子』と笑いながらそう呼ぶ、成宮先輩が頭の中を駆け巡る。

懐かしさと、切なさが込み上げてくるのが、もどかしくて涙が溢れ出す。


「先輩ぃ…」


あたしの声は小さくてきっと誰にも気づかれない。


「浬子?」


はずなのに…

そう呼ばれ、がばっと視線を前に戻し、涙を急いで拭く。


「あ、やっぱり浬子だー。やっほー、久しぶり!成宮だよ。覚えてる?…って、え、何、泣いてんの!?」

「成宮先輩…ご無沙汰してます」

「いやだねぇ、何お硬くしてんのさ。いくら久しぶりだからって」
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