カラフル・バニー
あたしはなんとか平常心を保ち、先輩との会話を続けている状態だった。

感情は引き裂かれ、いつ変になってもおかしくはない。


「あ、そういえば…」

「浬子ー」


突然、先輩の声が遮られ、聞き慣れている声が木霊する。あの声は…さっちゃんだ。


「どうかした?さっちゃんが走るのって珍しいよね」


息を切らし、苦しそうなさっちゃん。


「そんなのいいから、ちょっと来い」


乱暴にあたしの手を引くさっちゃんは、いつになく焦っていて、明らかに冷静さを失くしていた。


「大変なんだ。渚がお前が変だとか急に言い出して…。それで…お前の過去、教えるわけにいかないだろ?」

「…で?今、渚は?」

「つるっぱげと話し合ってる」
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