カラフル・バニー

臆病な過去

あたしが1年生で、先輩が3年生。ちょうど1年前のことだ。


「先輩とはね、同好会で一緒だったの。家庭科専門の」

「…恥ずかしい奴だな」


先輩は初対面のあたしにも、他の同好の人にも、すごく親切で優しかった。


「渚と違って信頼もあったんだよ。モテテクは渚のほうが上だったけど」

「やめろよ。その邪魔くせぇ付足し。つかモテテクってなんだよ」


先輩は誰にでも対等に優しく扱う。そう…対等に。


「だからあたし勘違いしたんだよね。先輩が優しければ優しいほど」

「…」

「そんで先輩が卒業する1週間前に、告ったの」


この一瞬の出来事をあたしはどれだけ、呪ったか…
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