カラフル・バニー
「…」

「ねえ!!」

「…いねーよ」

「嘘だ。今、間があった。ね、誰?同じクラスの子?」

「いねぇっつってんだろ!離せ」


そう言ってあたしの手を振り払う渚。


「ちぇー」


あたしと渚のそんな他愛もない会話が空に消え入るように、小さくなっていった。


「そういえば、もう少しで修学旅行だよな」


イチがさっちゃんに話しかける。


「それが、なんだい?つるっぱげ」

「つる…ってお前なぁ。まあ、いいや。去年は近場のホテルと観光名所だったんだろ?」

「今年はなんかキャンプらしいぞ。泊まる所もバンガローだとさ」

「ふーん…あ…肝試しとかやるかもなぁ?浬子」


あたしが最も、苦手分野としているものを、知ってて突いてくるイチ。


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