カラフル・バニー
「肝試しなんか、今時やらないっつーの」


あたしなりの、精一杯の見栄を張ってみる。


「わからねーぞ?ウチの委員長さん、結構物好きだしな」


なんでそんな奴、委員長に推薦するんだよと、悪態をつく。


「ふーん。お前、あんな科学で認められてねーもん、苦手とか終わってね?」

「じゃあ渚は、幽霊が本当にいないって言うの!?」

「うわ、不細工な顔向けてんなよ」

「今、関係ないじゃん。それ!」


渚が笑う。またあの時みたいな、笑顔で。


「…なぁ、早智子。渚が人前であんなに笑ってるとこ、俺、見たことねーんだけど」

「私だってない。でも、いいんじゃないのかい?アイツもアイツで、楽しいんだよ」

「渚が楽しい…か。今までなかったんだよ、そういうこと。…少なくても、俺にはなかった。」








< 42 / 150 >

この作品をシェア

pagetop