カラフル・バニー
さっちゃんが、あたしと似ていると言った
オレンジのうさぎは、クリスマスツリーについているような、赤と白のストライプのストックを手に持っていた。


「さっちゃんも買わないの?イチのも買ってさ、4人でつけようよ」

「こんなもの、性に合わん。お前一人で買え」

「えー、絶対いいのになぁ。ホラ、この水色がさっちゃんで、黄緑がイチ」


あたしが、そう言うとさっちゃんは、眉間にしわをよせて黙り込む。


「買えばお前の気が済むのか?」

「うん」

「ったく…面倒だ…」


さっちゃんの足は、前に前進する。

顔は確かに、面倒くさそうだ。だけど背中が密かに楽しそうに見えるのは、あたしの気のせいだろうか。
< 46 / 150 >

この作品をシェア

pagetop