カラフル・バニー

色のついた日常

イチが渚を学校に誘ってくれたお陰で、今日は教室に渚がいる。

3限目という中途半端な時間からだが、周囲もあたしも、そんなの気にしなかった。それどころか、渚の周りには人だかりが出来ていた。


「ねぇあれ、渚君じゃなぁい?やぁだ、かっこいい」

「美琴…アンタ、前まで成宮先輩のこと…」

「恋する乙女に、時間は関係ないの!」


何故…いとも簡単に、そんな寒々しいことを平気で言えるのだろうか。


「大変な事態になっているな」


後ろからさっちゃんが人事のように呟く。


「…あー…これじゃあ、うさぎ渡せないよね」

「無理だな」

「渚、めっちゃ嫌そうな顔してる」

「いつものことだろ」
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