カラフル・バニー
「あれ、渚?久しぶり。覚えてる?俺のこ…」

「渚!?アンタ黒沢渚?」


後ろからの突然の声を遮りあたしは声を
張り上げた。


「何、この女…」

「なんでこの女、渚の名前知ってんの?
知り合い?」

「まさか」

「ちょうど良かった。あたし、アンタに用が
あんのよ。」

「俺はねぇよ。行くぞ。西川」

「馬鹿ね。アンタの都合なんかどうだって
いいのよ!」


そう言うとあたしは強引に黒沢の手を引き
歩き始めた。

徒歩10分で来たのは多くのビルが建ち並ぶ
空気の涼んだ通り。
さすがにここでは静かな話し合いは出来ないかと自嘲するとまた足を進めた。

「何処に蓮根する気だよ」

「蓮根じゃなくて連行でしょ。渚」

「勝手に呼び捨てんな」

「いいじゃんか。減るもんじゃないし」


私の一方的な会話を止め、ここで一旦立ち止まった。

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