カラフル・バニー
混乱の渦の中
「山下さん」
あたしの後ろに立つのは、話したこともなければ、触ったこともない人。ただ、たまにすれ違うような、そんな人。
「浬子、知り合いか?」
「ううん。全然」
「ちょっと、お願いがあるんだけどいいかなぁ?」
明らかにその時の媚のためだけに、作ったようなこの口調。妙に感に触る。
「さっちゃん、ごめん。ちょっと席外すね」
「おう」
長い廊下を歩かされて、着いたのは体育館。女子のお決まりの場所だ。
「急に呼び出してごめんね。山下さん、忙しいのに」
「いいよ。浬子で」
「じゃあ、浬子ちゃん。短刀直入に言うね。浬子ちゃんってさ、渚君のこと好きなの?」
「友達としてね」
「よかったぁ。あ、遅れたけど私、上野千紗
って言うの。よろしくね」
あたしの後ろに立つのは、話したこともなければ、触ったこともない人。ただ、たまにすれ違うような、そんな人。
「浬子、知り合いか?」
「ううん。全然」
「ちょっと、お願いがあるんだけどいいかなぁ?」
明らかにその時の媚のためだけに、作ったようなこの口調。妙に感に触る。
「さっちゃん、ごめん。ちょっと席外すね」
「おう」
長い廊下を歩かされて、着いたのは体育館。女子のお決まりの場所だ。
「急に呼び出してごめんね。山下さん、忙しいのに」
「いいよ。浬子で」
「じゃあ、浬子ちゃん。短刀直入に言うね。浬子ちゃんってさ、渚君のこと好きなの?」
「友達としてね」
「よかったぁ。あ、遅れたけど私、上野千紗
って言うの。よろしくね」