カラフル・バニー
「さっちゃん今日、あたしん家泊まってかない?」

「嫌だね。どうせ荷物整理を、手伝わせようとか考えてるんだろ?」

「ゲ…バレました?」

「甘い魂胆だな」


矢のごとく鋭いさっちゃんの目は、あたしの考えを優に見破り、風のごとく過ぎ去っていった。

今日は特に予定もないので、帰り際あたしはもう1度屋上へ足を進めた。


「渚…いるかな」


そんなことを思いながら、軋む階段を上っていると、案の定やっぱり渚がいて、暇そうに壁にもたれかかっていた。

爽快な空を視野いっぱいに写るよう、ドアをおもいきり開ける。


「気持ちいーぃ」


あたしの言葉に反応する渚。


「ハロー渚君!」

「…てめーもつくづく暇な奴だよな」

「あら、失礼しちゃう。これでも、青春に悩む花の女子高生なのよ」

「寒気する。その喋り方」

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