カラフル・バニー
「…?もっと意味が分からない」


あたしがそう言うと、渚は露骨に顔を歪ませてきた。


「…もういい。1人で帰れ」


それに続くよう、投げ捨てるような口調でそう言い、あたしの目の前を通り過ぎていった。


「何…あれ…?」


結局、あたしは渚が何に怒っているのか分からず、修学旅行前日の夜を向えることになった。

薄く照らされた外灯が、こちらの様子を万遍なく見下ろす。


「今日は、よく分からない日になったなぁ…」


あたしは虚しく独り言を漆黒の空の下で
呟き、すごすごと家へと向かった。

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