カラフル・バニー
そう言うさっちゃんが、怪しげに微笑む。あたしは余計に分からなくなる。


「あたし何もしたつもりないんだけど」

「本当にか?何か差し障るようなこと言ってないかい?」

「別に…あ…!さっちゃん、あたし先生に呼ばれてるんだった!ごめん、後から話すね」


先生が呼び出すなんて、厄介な頼み事を押し付ける以外、滅多にないこと。

また何か頼まれるなぁと軽くにしか、考えていなかった。


「おお!山下、よく来てくれたな」

「来ないと先生怒るじゃないですか」

「まぁ、怒りはしないが、内申がな…どうなっても知らないぞ?」

「うわ、脅すなんて教師失格ですよ」

「ははは、まぁ気にせず!これ、配っといてくれ」


そう言って先生があたしに無理矢理手渡したのは、何かのくじが入っているただの箱だった。


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