カラフル・バニー
「何か言った?」

「…あら、嫌だ。美琴、地獄耳?」

「そういうわけじゃないんだけどぉ。何ぃ
なんて言ったのよぅ」


語尾を伸ばしたところで教える気にはなれない。


「じゃあ用件も済んだことだしきるね。美琴」
 
「あ、待って待って。今日ってさ古文の宿題
って出てたっけぇ?」

「うん。テキストの114ページから130ページまで」

「多いなぁ。うん。ありがとう」

「じゃあ、きるね」


美琴の声は高すぎて少し疲れてしまう。
別に美琴が悪いわけではないのだけれど。


あたしに対する声があそこまで高いのなら
男子に対する声はもっと高いのだろう。
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