カラフル・バニー
「そろそろ、表に出た方がいいな」


人がだんだんと集まって来たキャンプ場内の中庭。


「早智子もこう言ってることだし、行くか。浬子」

「そうだね」

「あ…」


唐突な声。動きが止まる。


「どうした?」

「…渚だ」


さっちゃんのその一言が、あたしの体内をぎゅっと締め付けた。


「上野と喋ってる」

「上野って上野千紗?」

「それ以外に、誰がいるんだい」


よりによってあんな小悪魔女と…。

平常心を保ってる身が持たない。


< 82 / 150 >

この作品をシェア

pagetop