カラフル・バニー
しばらく光の無かったバンガロー裏にいたあたしに、太く大らかな太陽が降り注ぐ。


「渚…なんか色々とごめんね」

「あ?」

さっきの引き続きか、渚の機嫌は悪く、思い切り睨まれるあたし。


「なんか…渚の気持ち考えてなくて…あーもー!嫌になるね!!ごめんね、反省した」

「別に」

「本当にごめん。…てか寒くない?ここ」

「そんな薄着で来るからだ。バーカ」


そう言いながら、自分の上着を脱ぐ渚。

そしてその上着を、あたしの肩にかける。


「は…!?いいよ、これ。渚が風邪ひくよ」

「中、長袖だし。第一、てめぇみてーな馬鹿に、心配される筋合いねーよ」

「馬鹿って…もっと可愛い言い方出来ないの?」

「この崩しようも無い面のどこを、可愛くしろっつんだよ」


この毒舌も、聞き慣れてしまったのが、複雑でしょうがない。

でもそこに、渚の優しさが隠れてるんだってことを、あたしは知っているんだ…



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