カラフル・バニー
「黒沢でも、女と喋ることあるんだな…」

「私もびっくりした」

「いいねー浬子」

「あたしは、ただひたすら罵倒を受けていただけだって」


渚は口も態度もある意味で見上げたものだが、顔はかなりかっこいい方だと思う。だから、それなりの人気もあるので、ヒガミを受けることぐらいある。

でもあたしはそんな面倒くさいもの受けるなんてごめんだ。


「アンタのせいで、あたし先生に褒められちゃった」

「あ?」

「『黒沢があんなに喋ってる所見たこと無い』ってね」

「マジうぜぇ」


渚はふっと後ろを向くと、歩き出した。


「渚、どこ行くのー?集会始まっちゃうよ」

「騒ぎ立てられんのもきめぇし。ちょっと、空気吸ってくるだけだよ。ついて来んな」

「あたしも行く」

「とんだおせっかいヤローだよな。てめーも」

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