カラフル・バニー
渚の後に続き、着いた場所は、バンガローの2階の展望台。星が窓一面に張り付いているようだ。


「よく知っていたね。こんな場所」

「昔、親父に連れて来てもらったんだよ」

「こんなに綺麗なら、プラネタリウム無しでも、世の中通じるかもね」

「つくづく、くだんねぇこと思いつくよな」


くだらなくなんかないと思う。むしろ、あたしの言っていることは一大事として捕らえてほしい。


「あ、あれオ二オン座?」

「お前はクソ以下だな。オニオンじゃなくて、オリオンだろ」

「渚に間違えを指摘されるなんて…あぁ世界が破滅する」


木で出来た、このバンガローの独特のにおいに包まれる。

それと同時に隙間風にも包まれた。あたしは、腰に巻いた渚のジャケットを羽織る。


「戻るか?」

「うん。そうだね」




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